ジュリア・ロバーツの作品ってちゃんと観たのは超久しぶり。
オレにとってはもはや過去の女優だし、特に好きでもないし、魅力も感じないというw
そんな相当冷めた人でも、『ホームカミング』を観始めたら止まらない。
全10話で、1話が30分前後という短さ。
この時間的なハードルの低さもあって、一気に鑑賞できてしまうのだ。
とんでもなくサスペンスな作品。
凄く面白くて、次のエピソードが気になって仕方なくなる。
ジュリア・ロバーツって上手だなぁなんて本気で思わせてくれたのも個人的には発見。
ホームカミングってのは、作品において主役ジュリア・ロバーツさんが勤めていた職場の名称。
帰還兵の社会復帰支援施設なんですよね。
表面的な大義名分としてはw
ここでソーシャルワーカーとして活躍していたはずのジュリア・ロバーツさんはすでに職場を離れ、故郷の食堂でなぜかウェーターなんぞをやっているのだw
その時点でジュリロバさんへの身に何かが起きたとしか思えない不信感がハンパないが、案の定、国防総省の調査員がホームカミングを辞めた理由を問いただしにやってくる。
ジュリロバさんが記憶の彼方に埋没した自分の過去に向き合っていきながら、ホームカミングの本当の目的も徐々に明るみになっていく。
政府と民間の製薬会社がグルになって進行する人体実験ってのは、なんかリアリティがありすぎて本当にゾッとしちゃいました。
戦争が平然とビジネスとして成り立っているアメリカ社会の病みっぷりも作品の説得力を後押し。
途中からスゲー怖くなりますよねこのドラマ。
ジョナサン・デミの『クライシス・オブ・アメリカ』をちょっと思い出したりしました。昔過ぎますがw
薬物を使った記憶操作という怖すぎる陰謀が、淡々とした人間関係の中で、不気味にあらわになっていく。
『ホームカミング』は演出スタイルもヒジョーに独特で、個性的。
時間軸によって画面サイズを変えたり、謎めいた長回しや分割画面を中心に緊迫感の溢れるカメラワークが際立つ。
音楽についても驚くようなチョイスになっていて、まるで古き良きクラシックホラーのような雰囲気を作っている。
実際に『遊星からの物体Ⅹ』のテーマ曲が流れたりして、ビビったりしたのだ。
役者陣もみんな達者。
特にジュリロバさんからは目が離せない。
たぶんキャリアの中でもトップクラスの名演技。
派手な爆破もアクションも大量の死体も無いが、見応えは保証しますね。
ホラーじゃないのに、はっきりいって背筋がブルブルと寒くなる恐ろしい話。
とにかく最初から最後まで怖いし、本当に起きていそうな迫力がストーリーから感じられる。
だけど、ちゃんと希望や愛を信じて、余韻として残してくれる作品で、オレなんかは感動もしちゃいました。
シーズン2があるそうですので、楽しみに待ってます。